カードゲーム全国大会出場者より、「ゲームで強くなる方法を仕事に活かすには」

カードゲームの全国大会に出場

20年ぐらい前ですが、あるトレーディングカードゲームの全国大会に出場したことがあります。全国大会の1年ほど前に行われた初の公式大会では1位になり、優勝賞品として好きなカードを3枚もらったこともあります。

今振り返ってみると、カードゲームの世界でやっていた事は他の分野でも通じることが多いと思ったので教訓をシェアします。

最初のステップ:大量のカードをどうやって把握するのか?

人気のカードゲームはカードの種類が非常に多いです。

自分が選べるカードは非常に多いし、敵が使ってくるかもしれないカードも非常に多い。

これはまるで、現実での行動の選択のようだと思いませんか。

この大量のカードをどうやって把握するのかという所ですが、カードゲームを始めてすぐの時は難しく考えずにひたすら遊ぶことから始まります。

すると、自分がよく使うカードから少しずつ詳しくなっていきます。経験を積む間に強いカードと弱いカードがなんとなく分かってきます。

これは、仕事でも同じだと思っています。

  最初は覚える事が多すぎるのですが、やっているうちに少しずつ意味が分かってきて、重要なことと些末なこと集中するべきことと後回しにしても良いことが段々分かってきます。

さらに、ゲームを重ねていくと、敵が使ってくる強いカードが目に付きます。

そうすると、2つの事を考えます。

1つ目は、自分もその強いカードを使うこと。

2つ目は、そのカードを使われた時の対策です。

  実際に自分でその強いカードを使ってみると、その強さだけでなく弱い部分も体感できます。強いと思ったら意外と使いにくい状況があったり、敵の思わぬ戦略によって敗北したりします。こうしてそのカードの対策や弱点を学ぶことができます

  仕事でいうと、仕事が出来る人のやり方を真似してみて、意外な失敗や、新しい成功を掴み取る感じでしょうか。こんなことを繰り返していると、自分がよく使うカードと、自分が強いと感じたカードに詳しくなっていきます。

  自分がよく使うカードと強いと感じるカードを把握できれば、ゲームの理解としてはとりあえず充分です。色々なカードを試した経験によって、新しいカードを見た時に「使えるカードなのか、雑魚カードなのか」を見極める目が養われていきます。経験を積んで、いつの間にか自分の仕事や他人の仕事を客観的に見られるようになる感じです。試合数を充分にこなしていれば中級者にはなった頃合いです。

自分の戦略を持つ

  カードゲームのすごく面白いと感じる所は、デッキに性格が反映される所です。攻撃的だったり、強力なカードを準備して勝負をかける戦略だったり、相手の妨害を中心とした戦術が好きだったり、王道の戦術が好きだったり、人によって戦術がかなり違います

  私の場合、やや攻撃的で、特定のカードを揃えて強力なコンボを狙うよりは、どんなカードが手札に来ても戦える汎用性の高いカードを多くしたデッキ構成を好みます。

全国大会に出てくるデッキは、癖が強いものが多いです。色々なデッキがありますが、全員に共通しているのは「自分のデッキによく慣れていること」です。

強いカードは皆が使おうとするので、ほとんどの人が使用している「必須カード」みたいな物も多いです。ですが、熟練したプレイヤーはそれ以外の部分で差を付けます

必須カード以外のカードを何にするか?
必須カードを4枚投入するのではなくあえて3枚にしたらどうか?

経験を積むと、40枚とか60枚とかあるデッキの内の、たった1枚のカードを変更するとどれぐらいの影響があるのかというのが感覚的に分かるようになります。

こんな試行錯誤の積み重ねがプレイヤーの感覚と直観を鋭くします。経験によって、自分の場と相手の場のカードを見て、どんな戦略を取るべきなのかの判断力が磨かれていきます。

プレー中に、「この状況で欲しいのはあのカード。残りの山札がX枚だから引ける確率はY%ぐらい。使われるとまずいのはあちらのカードだが、さっきの状況で使われなかった所をみると、相手がそれを持っている可能性は低いからここは攻撃に出るが、相手がカードを引いて嬉しそうな表情を見せたら防御に切り替える。」などの熟達した状況判断に繋がります。

これを仕事でいうと、自分の仕事のやり方を磨くことになると思います。

営業の世界では、人と会うことに積極的で話題も豊富な社交的な人は、内向的な人よりも有利だという話があります。しかし、逆に他人の気持ちに敏感で、人の話を聞く事と相手を理解する能力に優れる内向的な人の方が社交的な人よりも有利、という話もあります。

しかし、社交的な人でも内向的な人でも、間違いなく成功している人はいるし、うまくいっていない人もいます

そもそも社交的とか内向的とか、性格の根本的な部分ってそんな簡単に変えられるものじゃないです。

重要なのは、社交的な人は自分の強みである行動力や豊富な話題を武器にすること、内向的な人は自分の強みである相手の気持ちを繊細に理解することを武器として活かすことではないでしょうか。

カードゲームで最も重要なのは、自分のデッキの強みを把握し、自分のデッキにとっての脅威を把握して対策を考えておき、自分のデッキを上手にプレーできる事です。そう、自分のデッキが中心なんです。他人が得意なデッキに関しては、全ての弱点を把握する必要はありません。自分のデッキならそれにどうやって勝つか、のイメージができていれば良いのです。

仕事でも、自分がどうすれば他人のようになれるのかを考える必要はありません。他人はあくまで参考にしたり学んだりするもので、最終的に自分ならどうやってうまくいかせるか、に注力しましょう。

弱いプレイヤー:失敗する戦略

逆に、あまり強くないプレイヤーの特徴は、前述した事ができていないケースです。

つまり、強いプレイヤーのデッキを真似しただけで、自分のデッキの強みを把握できておらず、自分のデッキの弱点をつかれた時の対処法も分かっていなくて、自分のデッキに慣れていない場合です。

他人の真似したデッキでも慣れれば強くなるといえば強くなるのですが、最終的には人が考えた強いデッキよりも、自分の好きなデッキに人が考えた強いデッキの一部を取り入れたり、人が考えた強いデッキを自分が好きなようにプレーできるようにアレンジしたりします。

既に何度も述べたように、他人が使う強いデッキを真似すると長所も弱点もよく分かるので試すのは非常に良い事なのですが、最終的な強さを決めるのは自分が使うデッキの熟達度です。

仕事でいうと、一流の人の真似をするのは大変素晴らしい事ですが、真似で終わるのではなく、真似する過程で学んだり、色々なことを試し、最終的には真似から自分のものにする必要がある、ということです。

もう1つの弱いケースが、何にでもカウンターを取ろうとする戦略です。何にでも対応しようとすると、鋭い戦術のデッキに勝つことは困難です。

カウンターを中心としたデッキというのもありますが、敵の戦術ありきで何にでも柔軟に対応する前に、こちらが勝つための試合の流れのイメージができていて、相手をその状況に突き落とすぐらいの戦略性が求められます。

現実でいうと、自分の弱みにばかり目をむけてそこの改善だけをしていても、自分の強みを伸ばすことにも目を向けないと期待するような成果は出ない、といった所でしょうか。

熟達の秘密

実は、私がカードゲームの全国大会に出場したのは小学生の時です。

でも、シニアの部の全国大会2位とのガチ試合を4勝0敗で勝ち越しています。

どうやったのかと訊かれたら、勝つ方法を一生懸命考えてひたすら遊んだ結果です。

対戦相手がいない時は、自分で相手プレイヤー役もやって2つのデッキを戦わせたし、色々な見たことがない新しい戦術も考えましたが、全部好きでやっていたことでした。辛かったのは、本番で緊張したことぐらいです。

ただし、カードゲームと仕事をフェアに考えて、「やらなければならない仕事」では、「やらなくてもよい遊び」よりも自制や努力を要する可能性が極めて高いとは思います。

何種類か、2枚欲しかったカードが1枚しかありませんでしたが、それでも全国大会に行けました。

私と似たような戦術構成のデッキを使う人を地区大会でも全国大会でも一度も見かけなかったし、他の強豪プレイヤーが誰も使っていないカードも使ったけれど、自分で考えたデッキは、「自分にとってのベスト」だと信じられました

だって、他のプレイヤーが使うデッキの真似も含めて強いデッキを作ろうと色々試して、最後に残った一番強いと感じたデッキなのですから。

まとめ

カードゲームでも仕事でも:

  • 最初は考えすぎずにひたすらこなす。少しずつ重要な事が分かってくる。
  • 自分の強みを伸ばして熟達する。自分ならどうするか、が重要。
  • 他人の良い所の真似をするが、全てを完璧に真似る必要はない。自分にとって使える所だけを自分のモノにする
  • 弱みの改善は素晴らしいが、重要なのは強みを伸ばすこと
  • ひたすら試して、色々試して、それでも残ったものは信じられるし、強い

何か参考になったことがあれば幸いです。

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