集中する時に音楽をかけるべき?かけないべき?

今回は、「作業中に音楽を聴くのは時間効率の観点から是か非か?」というご質問を頂いたので、作業時に音楽を聴くのが良いのか、悪いのかをテーマにします

音楽の効果

人間は基本的に周囲の環境に影響されやすい生き物です。

映画やドラマを見る時に、悲しいシーンで悲しい雰囲気の音楽を聴けばセンチメンタルな気分が増幅され、アップテンポな曲や大好きな曲を聴けばテンションが上がる事から、体感的にもそうですよね

では、「集中力」に関してはどうなのでしょうか?

勉強する時や、仕事に没頭したい時など、集中したい時に音楽を聴くのは良いのでしょうか?

もし音楽を聴くのが良いのであれば、どんな曲が良いのでしょうか?

マイアミ大学の音楽と仕事に関する研究

マイアミ大学のテレサ・レジューク教授は、音楽が仕事に与える影響について、ソフトウェア会社の社員を介した実験で調べました。

研究の結果、音楽があるよりも無い方が仕事の質が下がることが分かりました。更に、仕事をより速く完了し、アイディアも思いつきやすいそうです。

この効果を得るにはムードが良くなる事が重要なので、好きな曲を選んだ時に特に効果が高まるそうです。

反対に、新しい事を学習する場合は、音楽があるよりも無い方が良いことも分かりました。音楽があると、特に読解力が落ちるそうです。なので、学生には残念ですが、一般的に「勉強する時は音楽を聴かない方が良い」と言えるでしょう。でも、大丈夫。あとで音楽が使えるケースを説明します

また、メリーランド大学医学センターの研究によると、好きな音楽はストレスを減少させ、血圧を下げる効果があります

これは、脳の仕組みを考えれば納得の結論です。

なぜマルチタスキングしてOKなのか

(1) 音楽を聴く事、更に(2)何か別の事をするというのは、2つ以上の事を同時に行なうマルチタスキングに該当します。普通に考えれば、1度に1つの事しか考えられない人間にとってマルチタスキングは最悪の行動で、通常はどちらも中途半端になって生産性は落ちます

ところが、脳がタスクに慣れていると、脳は集中をつかさどる前頭葉をさほど活性化させずに、脳の体力を温存したままタスクをこなすことができます

これは、毎日のシャンプーや歯磨きをさほど集中せずともできることが良い例ですね。

音楽を聴く行為は、テキトーに聴いている分には集中力をほとんど必要としません(音程を分析したり、歌詞を理解しようしたりして意識を耳に集中させたら違います)。

であれば、意識のほとんどを2つ目のタスクである作業に集中でき、音楽のポジティブなメリットを受けながらタスクをこなすことができます

となれば、自然と注意点も分かってきます。

音楽を選ぶ時のアドバイスと注意点

音楽を聴くことはあくまでマルチタスキングであり、通常であれば生産性が落ちる行為です。

なので、音楽に注意を逸らされないことが前提となります。

「言葉」は人の注意を逸らすので、歌詞がある曲よりもインスト(インストゥルメンタル。ボーカルが無く、楽器のみで構成されている曲)の方が良いです。さらっと書きましたが、調べてみると、どの研究でも同じ事が書いてあるので、繰り返しますが歌が無い曲を選曲することは重要です。

また、音程が高い曲は避けた方が良いでしょう。1980年代以前と比べて1990年代以降から歌謡曲のキー(音の高さ)の平均が大きく上がりましたが、これは高い声の曲の方がテレビのコマーシャル等で流れた時に、低い声よりも高い声の方が人の注意を引きつけるからだと言われています。今回の場合、音楽に注意を逸らされたくないので、音程が高い曲は避けましょう

脳は、慣れている事の方が慣れていない事よりも集中せずともこなせる事から、聴き慣れている曲を聴きましょう。好きな曲だとストレス減少効果が高くなる事とも相まってオススメです。作業する時にいつも聴いている曲があれば、その曲をそのまま聴き続けるのは良いかもしれません。

注意を逸らされないために、複雑な曲よりもシンプルで単調な曲が良いでしょう。変調、複雑な音階、テンポの変化などの要素がある曲は避けましょう。

音楽のジャンルですが、クラシック(モダンよりもバロック調)、環境ビデオのようなネイチャー系音楽がオススメです。インドのBMS工科大学の研究によると、BPM60程度のスローテンポの曲は、ストレスを減少させる効果があります。また、ゲーム音楽もオススメです。ゲーム音楽はそもそも作業を楽しくして没頭できるようにするためにデザインされているからです。

集中力を要する時は音楽を使わない

音楽にはポジティブな効果があるとはいえ、音楽を聴くことはやはり音楽を聴かないよりも注意が逸れるのは避けられません

なので、あなたがやろうとしている事が、新しいことを学ぶこと、慣れていないこと、複雑なこと、判断を要する事など、思考を要する事であれば音楽は無い方が良いでしょう。

勉強は?学生が使える音楽

新しいことを学ぶ時など、脳の集中力を要する時は音楽を聴かない方が良いという話をしましたが、学生でも音楽が有用になる場面が2つあります。

1つ目は、強いストレスを感じる時です。学ぶ時は音楽を聴かない方が良いとはいえ、高いストレスがあれば集中できないし、健康にも良くありません。今の季節だと、ストレスによって免疫力が低下するとインフルエンザにもかかりやすくなります。また、嫌な勉強はそもそもなかなかやる気が起きなくて、勉強そのもの以上に始めるまでに長い時間がかかる事が珍しくないですよね。

それなら、いっそのこと好きな音楽を聴きながら、ストレスを減らして勉強に着手した方が、多少注意が逸れたとしても勉強が進むでしょう。

2つ目のケースは、テストの緊張を和らげたい時です。音楽、特にスローテンポの曲にはリラックス効果がある事が分かっています。

テスト前などで緊張して落ち着かない時は、スローな曲を聴いてみましょう。

最後に

いかがでしたか?

「慣れ親しんだハイトーンのアップテンポの好きな曲と、聴き慣れていないけど嫌いではないスローテンポの曲はどちらが良いのか?」などの疑問はありませんか?

あなたがその曲にどれぐらい慣れ親しんでいて、どれぐらい注意を逸らされ、どれぐらい気分が高揚し、作業にどう影響を与えるのかは、試さないと判断できません。なので、そういう場合は両方試してみて、作業がはかどった方を採用して下さい。

本記事が音楽で作業を効率化させるきっかけになれば幸いです。

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